こんにちは。東北在住ライターのすずき・ちえです。
2022年の夏を振り返ると、数年ぶりに開催されたイベントも多かったように思いますが、久しぶりに夏祭りや花火大会に行かれた方も多かったのではないでしょうか。
私が住んでいる宮城県仙台市でも代表的なまつりである「仙台七夕まつり」が3年ぶりに通常規模で開催されました。
今回は、「仙台七夕まつり」についてご紹介したいと思います!
仙台の夏を彩る七夕まつり
「仙台七夕まつり」は「青森ねぶた祭」、「秋田竿灯まつり」とともに「東北3大まつり」の1つに数えられている規模の大きさで、2022年は3日間で225万人ほどの人たちが訪れるお祭りです。
例年8月6日から8日までの3日間、仙台駅前からアーケードで繋がった商店街と、仙台朝市商店街や長町商店街等の地域商店街を会場に開催されます。
仙台駅前から6つの商店街を擁するアーケードでは、個人商店や企業、学校などが制作した豪華な七夕飾りが飾られます。「仙台七夕」というと、大きな吹き流しがいくつも並ぶ光景を思い浮かべる方も多いかもしれません。
また、地域の商店街には笹飾りが飾られます。
それは、一本の笹に吹き流しや短冊など、仙台七夕独自の「七つ飾り」をつるしたものです。七つ飾りについては後ほどご紹介しますね。
この七夕祭りは、初代仙台藩主・伊達政宗公の時代から続く伝統行事で、400年以上の歴史があります。
かつては家族の健康長寿等を願い、飾りを作った「祈りの祭り」でした。1927年に不景気に陥った際に景気回復策として、商家の有志が華やかな七夕飾りを飾ったことを機に、時代とともに現在のような形になったようです。
仙台七夕の特徴~健康長寿、商売繁盛などの願いが込められた七つ飾り
仙台七夕に欠かせないのが、「七つ飾り」です。健康長寿、商売繁盛などの願いを込めて7種類の飾りを作り、笹に飾ります。どのような飾りなのかご紹介します。
短冊:学問や書道の上達
紙衣(かみごろも):病気・災難の厄除け、裁縫の上達
折り鶴:健康長寿
巾着(きんちゃく):商売繁盛
投網(とあみ):豊漁・豊作
屑篭(くずかご):清潔と倹約
吹き流し:機織りの上達
以上の7つが七つ飾りで、飾ると以下の写真のようになります
作り手によって、紙衣に帯を付けたり飾りの色合わせが違ったりと、個性が出るのがおもしろいところ。
なお、仙台では、子ども会行事で七夕飾り作りをすることが多く、「子どもの頃に作ったことがある」という声もよく聞かれます。市民の間でも七夕が浸透している印象です。
私も何回か作ったことがありますが、色とりどりの和紙を前に色合わせを考えてわくわくしたり、苦戦しながらも巾着や吹き流しを作り上げたりしたことなどを思い出します。
まとめ
仙台七夕は、一見静かなお祭りに見えるかもしれません。私の体験で恐縮なのですが、以前、「青森ねぶた祭り」に行ったことがあります。その時、笛の音に合わせて跳ねている様子が見られ躍動感を感じました。それと比べると、仙台七夕は踊ったり掛け声をかけることはなく、七夕飾りを愛でながら歩くという感じです。
ですが実際に来てみると、アーケード内のダイナミックな吹き流しが並ぶ様子には圧巻されること間違いなし!今年は感染症対策のため、地上から2m位の高さまでに制限されていたようでしたが、感染症流行前は、歩いていると吹き流しの裾が、身長170㎝の私の顔に余裕で触れるくらいの長さでした。
また、飾りを作ったお店や会社などのカラーが出るのも面白いところです。
そして観光客だけではなく、地元の人にとっても欠かせないお祭りだと思います。
「子どもの頃に家族で見に行った」「子ども会で笹飾りをつくって地域のコミュニティーセンターに飾った」など、誰もが何かしらの思い出があるようです。
私も学生時代、七夕期間中のアルバイトをした思い出が。アーケード内に出店が出るのですが、仙台名物「笹かまぼこ」をアーケード内で観光客に販売しました。観光できた人たちと会話していると、普段は聞くことがない関西弁を聞くことができて嬉しかった記憶があります。
そして、仙台七夕まつりにいらしたときは、周辺商店街の笹飾りを見に行くことをおすすめします。
私自身も3年前に仙台七夕の歴史を知る機会があり、行くようになりました。見に行ったことで、七夕の原点を垣間見たような気がしました。
特に、仙台朝市商店街は仙台駅より徒歩5分ほどと近いのでおすすめです。
みなさんも来年はぜひ、「仙台七夕まつり」へお越しくださいませ。
仙台七夕まつり 公式HP