こんにちわ。東北・宮城在住ライターのすずき・ちえです。
私は仙台に住むアラフォー世代の会社員です。趣味はカフェめぐりで、週に1回は県内外各地のカフェに出向いています。
お店ごとにメニューや内装に個性が表れているのが面白いところで、素敵なカフェ探しはやめられません。もはや休日に欠かせない楽しみの一つになっています。
カフェ好きを公言しているので、時々、宮城県内のおすすめカフェを聞かれることがあります。とはいえ、それぞれのお店に特徴があり甲乙つけがたく、いつも答えに悩みます。今回は、「居心地の良さ」という視点から、個人的にも想い入れがあるお店をご紹介したいと思います。
仙台駅構内にあるレトロな雰囲気の喫茶店
私が居心地の良さを感じるカフェは、仙台駅構内にあるサイフォンコーヒー専門店「杜の香り」(もりのかおり)というお店です。カフェというよりは、喫茶店というイメージが近いかもしれません。
友人に連れてきてもらったことをきっかけにお店を知り、以来、仙台駅周辺に来た時にはお昼時や、買い物の合間の休憩にと立ち寄るようになりました。
「杜の香り」は、仙台市内を拠点に外食産業のトータルコーディネート業務を担う服部コーヒーフーズ株式会社の直営店です。系列店には、仙台中心部にある老舗喫茶店「エビアン」があります。昭和29年に開店した「エビアン」は、世代を超えて仙台市民に愛されてきたお店で、サイフォンで淹れた自家焙煎のコーヒーが看板商品です。「杜の香り」でも同様にサイフォンで淹れたコーヒーを味わうことができます。
注文を受けてから淹れられたコーヒーは、サイフォンごとテーブルに届けられ、その量はコーヒーカップ3杯弱。香り高いコーヒーをたっぷりといただけるのが魅力のひとつです。
さらに、コーヒーと相性抜群のスイーツや軽食も推したいところです。
メニューにあるのは、懐かしい昭和レトロなラインナップ。ツナや厚焼き玉子が挟まれたホットサンドケーキや小倉トーストなどの軽食、クリームやバニラアイスが添えられたコーヒーゼリーやクリーム白玉あんみつといった、私を含めて昭和生まれの方は子どもの頃から馴染んできた、おなじみのメニューではないでしょうか。
中でも私のおすすめは、「ホットケーキ」です。イメージとしては、最近のふわふわ食感の厚みのあるパンケーキではなく、家庭で焼いたようなホットケーキといったところか。私もですが、子どもの頃に家でおやつに出された記憶がある方も多いかもしれません。
「杜の香り」でホットケーキを注文すると、一皿にホットケーキ2枚と付け合わせ用のブルーベリージャムとバター、デザートのミニ・バニラアイスが付きます。
私がいつもやる食べ方が、先に一枚目のホットケーキに半量のバターを付けて食べ、2枚目には、残り半分のバターとブルーベリージャムを付けて食べます。さらにバニラアイスを乗せることもあります。そのように「味変」して、自分好みで懐かしの味を楽しむことができます。
非日常と日常が交差する、特別な場所
「杜の香り」の魅力は味だけではありません。それは、ターミナル駅ならではの独特の雰囲気です。お店があるのは、仙台駅3階の新幹線南口改札のたもと。場所柄、スーツケース片手のビジネスマンやビジネスウーマン、観光客が多く訪れます。
そのため席でコーヒーを楽しんでいると時々、隣の席から東北地方ではめったに耳にしない関西弁や、外国語を耳にすることがあります。旅をする機会が少ない私は、各地からの旅人たちの中にいると、自分が地元を離れたような錯覚におちいり、現実から解き放たれたような気持ちになります。
また、私自身も新幹線を利用する時に立ち寄ることがあります。旅の前には、コーヒーを飲みながら、スマホ片手に旅先の下調べ。旅のプランを立てながら、見知らぬ土地に行く高揚感を味わいます。
旅から帰って来た後は、馴染みのお店の味に、「お帰りなさい」と温かく迎えられたような気持になり、ここでコーヒーを飲むことで無事に帰ってこられたという安堵感に浸れます。
いわば、非日常と日常をつないでくれるような特別な空間というところでしょうか。大都市圏から遠く離れた東北で、外と繋がれるような気分になるのが好きな理由です。
旅行で駅を利用する時、仙台駅周辺での買い物の合間の休憩や友人と会って話す時など、非日常、日常問わず様々な場面で頻繁に足を運びたくなるお店だと思います。
「杜の香り」は、地元の方だけではなく、各地から仙台駅を訪れた方にもぜひ、立ち寄っていただきたい場所です。
初めて仙台に来た方でも場所がわかりやすいことや、全国各地からお客さんが来るので比較的入りやすいこと、そして美味しいコーヒーとフードが揃っていることが理由です。
新幹線で仙台駅に降り立ったら、まずは「杜の香り」へどうぞ。たっぷりの美味しいコーヒーや、レトロな軽食を味わいながら、ホッと一息ついてみるのはいかがでしょうか。
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