あけましておめでとうございます。東北・宮城在住ライターのすずき・ちえです。2024年もよろしくお願いいたします。
大みそかや、お正月といえば欠かせないのが料理。地域や家庭によって、お雑煮の味やお餅の形、欠かさず食べられているものも様々かと思います。
私の住んでいる宮城県では、「仙台雑煮」と「ナメタガレイの煮つけ」を作る家庭が多いようです。当ブログでは、2回に分けてご紹介します。
ハゼや鶏などの だしで作られる、仙台雑煮
今回は「仙台雑煮」についてです。
仙台市内は、東は太平洋、西は奥羽山脈と海から山まで広範囲なので、地域でだしが違います。海岸沿いの地域から中心部にかけては「ハゼだし」、それ以外の地域は「鶏肉だし」が多いようです。
市内でも山沿いの地域にある私の実家では「鶏肉だし」で作っていました。
そのため、実家を離れた今でも「鶏肉だし」でお雑煮を作っています。
だしは「鶏肉」と「かつお節」で取り、汁の中は「餅」、「大根」「にんじん」「ごぼう」といった根菜類、「凍み豆腐」、「乾燥ずいき(芋の茎を干したもの)」が入り、具だくさん。
飾りに「いくら」「かまぼこ」「せり」をのせます。
タイムリーなことに、仙台市の「市政だより」1月号に「仙台雑煮(鶏肉バージョン)」の作り方が掲載されていたので、参考にしながら作ってみました。
まずは準備から。我が家の場合、調理は元旦の朝ですが、年内に大根とにんじんは「引き菜(ひきな)」にします。3~5センチくらいの千切りのことで、スライサーを使うこともよくあります。湯がいたものを冷凍しておくと、調理時間の短縮になるからです。
調理直前に下ごしらえです。鶏肉は砂糖、しょうゆ、みりんで煮て味をつけ、ずいきと凍み豆腐は水に浸して戻し、凍らせていた大根と人参も冷水をかけて解凍します。
だしは、かつおだしを取り、だし汁に鶏肉以外の材料を入れて煮ます。ある程度具材が柔らかくなったら、鶏肉を入れ、しょうゆ、みりん、塩で味を調えます。お餅は、角切りのものをあらかじめ焼いておきます。
出来上がったら、盛り付け。お椀に具と焼いた餅を入れ、汁を注ぎ、セリをのせると完成です。好みでイクラやかまぼこものせると豪華になりますよ。
どのような味なのか?
出来上がったお雑煮が入ったお椀を手に取ると、セリの爽やかな香りがします。食べてみると、鶏肉だしとかつおだしのコクがありつつも、海産物から野菜までの具材の味が溶け合ったまろやかな醤油味。
サッパリとした味の大根やにんじんに、鶏とかつおベースのスープがマッチし、どんどん食が進みます。
そして、イクラのプチプチした食感が病みつきになるでしょう。
ここまで読んで下さった方の中には、「具が多くて作るのが大変そう」と感じた方も多いのではないでしょうか。 実は…私も子どもの頃は、そう思っていました。
しかし現在は、一部の地元スーパーでは、お正月直前に引き菜にした大根とにんじんも販売されるなど、短い時間で作れるようになりました。なので、縁があって仙台雑煮を作ることになった方もどうかご安心下さい!
次回は、宮城のお正月には欠かせない、「ナメタガレイの煮つけ」をご紹介します。
※2024年1月現在の情報です。
※お雑煮の作り方や具材は、各家庭や地区によって違いがあります。
参考
◆仙台市市政だより1月号
https://www.city.sendai.jp/shiminkoho/shise/koho/koho/shisedayori/2024-01/index.html
◆農林水産省 うちの郷土料理(仙台雑煮のハゼだしバージョンについて掲載されています)
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/sendai_zouni_miyagi.html