こんにちは。東北・宮城在住ライターのすずき・ちえです。
4月下旬になり、宮城県でも暖かい日が続いています。時には暑さを感じることもあり、歩いていると汗ばむことも。
そのような暑い時に食べたくなる、東北グルメがあります。
それは、山形県山形市の「冷やしラーメン」です。
もしかしたら、「東北」というと「冬の寒さ」や「雪」のイメージがあり、「ご当地グルメに冷たいもの?!」と驚かれる方も多いかもしれません。
どのようなグルメなのか、ご紹介します!
夏は暑い!山形市内のお蕎麦屋さんで生まれたご当地グルメ
山形市で冷やしラーメンが生まれたのは、どうやら気候に関係がありそう。
山形市は内陸部の盆地に位置する都市で、「夏は暑く、冬は寒い」という特色があります。
夏はどのくらい暑いかというと、1933年7月に最高気温40.8℃を記録し、2007年までの74年間、日本の最高気温を記録し続けた、というほど!
そのような気候にピッタリのご当地グルメなのです。
初めて冷やしラーメンを提供したのは、山形市中心部にあるお蕎麦屋さん「栄屋本店」です。
栄屋本店は、1932年創業のお蕎麦屋さんです。
1949年に中華そばの提供を開始したところ、常連客から「冷たい中華そば」のリクエストがあり、1年がかりの試行錯誤の末、1952年「冷しラーメン」がメニューに加わったそうです。
今ではお店の看板メニューとなっています。
シャキッとした冷たさ、コクがあり、風味豊かなスープ
こちらが「冷しラーメン」です。
一見、「中華そば」に見えるかもしれません。具材にキュウリとモヤシがあり、氷が浮かんでいる点に「冷しらーめん」らしさが見られます。
一口スープを飲んでみると…キリっとした冷たさと、風味豊かで、コクと深みのある醤油味という印象。
氷が浮かんでいるにもかかわらず、味は濃いままであることに驚かされます。
麺は中太のストレート麺で、モチモチとした食感です。
さらにチャーシュー、メンマ、キュウリ、もやしと具だくさんなので、食べ応え十分!
そして不思議なのが「スープの油が固まっていない」こと。
写真を見ても分かる通り、油の固まりが浮かない、澄んだスープなのです。
材料に肉を使ったスープを冷やすと油が浮かぶはずなのに、なぜだろうと思いました。
答えは、店頭の貼り紙にありました。
お店によると「牛肉を醤油で煮て一晩冷し、固まった油を取り除いている」のだそう。さらに、「カツオと昆布の出汁を入れて、ブレンドした植物油でコクを出して、固まることのないスープをつくっている」のだとか。
丁寧に作られているからこそ、風味豊かコクがあるスープが作られているのですね。
「冷しらーめん」を食べると、シャキッとした気持ちになると同時に、様々な素材が溶け合った風味豊かなスープとモチモチの麺に、どんどん食が進みます。
そして食後は満足感があり、幸せな気持ちになります。
みなさんも、一度食べに行ってみてはいかがでしょうか。くれぐれも暑さ対策は万全にお願いします♪
参考リンク
■栄屋本店
美味しそうなメニューの写真を見ていると、お腹が空いてきます。
お店紹介 | 栄屋本店 (sakaeyahonten.com)