こんにちは。
東北・宮城県在住ライターのすずき・ちえです。
10月8日から10日までの3連休に、宮城県南三陸町に行ってきました。
宮城県南三陸町へ
南三陸町は、三陸海岸に面した町です。
2011年の東日本大震災(以下震災)の大津波で町全体が甚大な被害を被りました。
震災前、海の近くにあった商店街や住宅は流され、筆舌に尽くしがたいほどでした。
震災後10年の間に、商店街など新しい町づくりが進むと同時に、震災遺構の保存や祈念公園の整備がなされました。
南三陸町復興祈念公園や隣接する復興商店街「南三陸さんさん商店街」にいらした方も多いかもしれませんね。
2022年10月1日、それらの一角に新しい施設が開館しました。
「南三陸311メモリアル」という東日本大震災伝承施設です。
南三陸311メモリアル
この施設は、オープン前から行きたいと思っていました。
テレビや新聞で話題になっていたことも一つですが、大きかったのはご当地検定の過去問を解いた時、予想以上に震災関連の問題を答えられなかったこと。震災を経験したにもかかわらず、よくわかっていないことに気づかされました。
改めて、現地に出向いて理解したいという想いでした。
ラーニングシアター
施設は無料ゾーンと有料ゾーンがあります。
入場料を支払うと、ラーニングシアターや多くの展示物を見られます。
初めに映像上映の部屋に案内されました。
ここは3方向の画面に囲まれるように椅子が置かれ、それぞれが見えやすい位置で映像を見ることができます。
プログラムは数種類あり、私が見たものは「プログラム1 ショートプログラム生死を分けた避難」でした。
時間は10~15分程度だったと思います。
当初は映像上映と聞き、当時の状況や体験者の証言という内容と思っていました。
が、さらに映像から出される問いに対し、1分ずつ周りの人と話す時間が設けられていました。
モデルケースは、震災当時、海から300メートルの場所にあった小学校の避難でした。
震災直後、大津波警報が発令され、避難場所は校舎の屋上か、約400メートル先の高台か。
当時の先生方の証言の後、「さてあなたならどうしますか?」と問いかけがあります。
そこで周囲の人と話す時間になります。
後ろに座っていた親子連れ。お母さんが5歳くらいの子どもに「さて、○○君だったらどうする?」と問いかけ、子どもも想像を膨らませていた様子が印象に残りました。
震災を経験していない世代に伝える場所の必要性を感じました。
そして、一人で来ている人も数名見られました。
「周りの人と話して下さい」とアナウンスは流れるものの、必ずしも言葉に出す必要はなく。
自分のこととして捉えることが大切なのではないかと思いました。
1階展示コーナー、2階展望デッキ
パネルシアター終了後に展示物を見学しました。
館内には、震災発生からの状況を住民の証言を交えて視聴できるコーナーや、世界的な芸術家クリスチャン・ボルタンスキーの作品や、写真家・浅田政志氏の写真展示があります。
浅田氏の写真は、被災後の南三陸の人たちを撮影したものです。
内陸部に住む私には想像がつかないような厳しい日々だったと思いますが、写ってる方々の笑顔に勇気づけられました。ユニークなポーズの写真もあり、思わず心が和みました。
続いて外に出て展望デッキにのぼりました。
南三陸さんさん商店街や復興記念公園が見られます。
眼下に広がる風景を見ながら、ラーニングシアターの内容が頭に浮かんできました。
地震や津波に限らず、いつどんな災害に襲われるかわからない現代、日ごろから防災について自分ごととして考えていきたいと感じた施設見学でした。