【おでかけ】まちの商店街の本屋さんで出会った、高校生が作ったZINE~栗原市栗駒「六日町通り商店街」

こんにちは。ライターのすずき・ちえです。
このブログでは、地元宮城県のスポットや郷土料理などを発信しています。

今日は、宮城県のある「まちの本屋さん」で見つけた「ZINE」(フリーペーパー)についてご紹介します。

こちらは何と、高校生が探求学習の授業で制作したというもの。さて、どのようなZINEなのでしょうか。

ZINEと出会ったのは、栗原市の「六日町通り商店街」の本屋さん

訪れたのは、宮城県の内陸北部にある栗原市栗駒地区

県庁所在地の仙台市からは、車で1時間10分ほど(高速道路利用・混雑状況による)の場所にあります。県境にあり、山形・秋田・岩手3県と接しています。

登山をされる方にはおなじみの栗駒山のふもとにあるので、ご存じの方も多いかもしれません。
山あいにある、自然豊かな地域です。


栗駒地区の中心地「六日町通り商店街」に店を構える本屋さん「六日町ナマケモノ書店」さんが今回ご紹介するZINEとの出会いの場でした。

「六日町ナマケモノ書店」さん店頭。

「六日町ナマケモノ書店」は商店街の一角にある「まちの本屋さん」。

「風変りな本と買う必要のない雑貨」というコンセプトのお店で、店主がセレクトした新刊書の他、個人5名と古本業者さんが棚を持ち古本を販売。雑貨も充実しています。

Instagramをチェックしていたところ、紹介されている本が自分好みの本ばかり!いつかお店に行きたいと思っていて、ついに願いが叶いました。

店内の様子。

ワンフロアの店内を見ているうちに、特に心惹かれたのがこちらの棚です。

写真の中央に貼られている「描き込む小説」と書かれたポスターが目に飛び込んできました。

初めて聞く言葉に「何だろう?」と思いながら、右側の説明を見てみると「岩ケ崎高校美術部の生徒さんが探求学習で製作したフリーペーパーです」とのこと。棚には茶色い袋とじのZINEが3冊置いてありました。

岩ケ崎高校は、栗駒地域にある高校です。
そういえば!お店のInstagramにも岩ケ崎高校のZINEについて書かれていたことを思い出しました。高校生はどんなZINEを作ったのか興味があったので、出会えて嬉しかったです。

岩ケ崎高校の美術部員が制作したZINE

早速手に取ってみました。

表紙には『蜜柑』芥川龍之介の文字が。
レトロな雰囲気というのが第一印象でした。

細い糸できれいにとじられており、1冊1冊丁寧に心を込めて作った様子が目に浮かぶようでした。

手づくりならではの丁寧さを感じた

そのようなZINEを見かけると、心がときめく私。

作った人たちが持つ世界をちょっとだけのぞき見させてもらえるようで、ワクワクするのです。

じっくり読んでみたいと思い、1冊いただいてきました。

高校生のまっすぐな気持ちが伝わってくるような一冊

帰宅後に早速、読ませていただきました。
まずはページをパラパラめくります。

まえがきには、

これは、「本の制作によって読書への関心を高めることができるのか」を調査することを目的に作られたものです。

岩ケ崎高校編集 ZINEより

と書かれ、「調査」となる読了後のアンケートに進むQRコードが添えられています。なお、アンケートには「この本を通して読書への意欲は高まりましたか?」などの質問があります。

ZINEは全24ページ。右半分に芥川龍之介の作品『蜜柑』の文章が挿絵付で掲載され、左半分はメモ欄になっています。そこで「描き込む小説」というテーマにした理由が分かりました。

さらに、2ページはイラストが全面に描かれていて、塗り絵ができるという仕様になっています。

『蜜柑』は芥川龍之介の短編小説で、横須賀駅から汽車に乗った「私」と目の前に座った「十三四の小娘」とのひとときが描かれています。

私は日本文学を読む機会が少なく、『蜜柑』は初めて読む作品でした。

しかし、制作した美術部員によるかわいい挿絵のおかげで、情景を思い浮かべながら読むことができ、楽しい読書タイムを過ごせました。読後は、他の芥川龍之介の短編小説も読んでみたいと思いました。

このZINEを読み、高校生が自らテーマを設定し、挿絵や塗り絵を入れるなど楽しく読んでもらえるように工夫し、作り上げたことの素晴らしさを感じました。そしてメモ帳としても活用でき、塗り絵も楽しめるという、小説プラスアルファのアイディアもおもしろいと思いました。

もし、岩ケ崎高校の『蜜柑』のZINEを見つけられた方がいらっしゃいましたら、ぜひ手に取ってみてください。冊子ごしに高校生のまっすぐな気持ちが伝わってきて、読後はさわやかな気持ちになれる一冊です!

参考サイト

■六日町通り商店街

栗原市栗駒地区にある、商店街です。食堂、八百屋さん、お菓子屋さん、カフェ、コーヒー豆屋さん、本屋さん…昔からあるお店と新しいお店が調和する魅力あふれる場所です。

六日町通り商店街公式ホームページ (infomuikamachi.wixsite.com)

■六日町ナマケモノ書店

六日町の一角に店を構える本屋さん。

六日町ナマケモノ書店 (stores.jp)

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